ビットコインを持ったまま、値動きを見るのが少しつらくなっていませんか。
2026年8月18日時点のビットコインは1BTCあたり約1,025万円。2025年10月6日につけた過去最高値(約1,896万円)からは、円建てでおよそ46%下の水準です。
この局面で「ガチホはいつまで続けるのか」と検索する人の多くは、まだ売っていない人だと思います。私もそうでした。売らないと決めたはずなのに、期限がないぶん、いつまでこの状態が続くのか分からなくて落ち着かない。
この記事で扱うのは、「何年で区切るか」という保有期間の設計です。相場がこれからどうなるかは予想しません。まだ買っていない人に向けた「今から始めるべきか」の話もしません。すでに持っている人が、自分の保有期間を自分で決めるための材料だけを並べます。
ナビゲーター読み終わったときに「自分は◯年持つ、◯◯になったら見直す」と紙に書ける状態がゴールです。
「ガチホはいつまで」の答えが出ない本当の理由
ガチホは「ガチでホールド」の略で、価格が動いても売らずに持ち続ける投資スタイルを指します。定義そのものはこれだけです。
引っかかるのは「いつまで」のほうだと思います。この問いに答えが出にくいのは、ひとつの言葉のなかに性質の違う3つの疑問が混ざっているからです。
- 時間の疑問:あと何年待てば、この含み損は解消するのか
- 条件の疑問:どういう状態になったら売ると決めればいいのか
- 現在地の疑問:今の下落は耐えるべき局面なのか、そうでないのか
3つが混ざったまま検索すると、返ってくる答えも混ざります。「将来性があるから持ち続けよう」と言われても時間の疑問は解けませんし、「価格が◯◯になったら売ろう」と言われても、その価格にいつ届くのかは誰にも分かりません。
そこでこの記事は、1つ目の「時間の疑問」を主役に据えます。保有期間そのものをどう設計するか、という話です。
2つ目の「条件の疑問」は、さらに2つに分かれます。市場に出るサインを見て継続か撤退かを判断する考え方は、リップルを題材にした別記事で詳しく整理しています。銘柄は違っても判断の枠組みは共通なので、市場側の条件で決めたい方はそちらを読んでください。いっぽう自分の暮らし側の条件で撤退ラインを引く方法は、この記事の後半で扱います。
3つ目の「現在地の疑問」に、この記事は答えを出しません。今の下落が底なのか途中なのかは、誰にも分からないからです。ただ、期間と撤退ラインを先に決めておけば、現在地が分からないままでも手は動かせます。目指しているのはそこです。

また「そもそもなぜ長期保有が成り立つのか」という根拠と、感情に振り回されないための仕組み作りについては、こちらの記事で扱っています。この記事では繰り返しません。

なお、まだビットコインを持っていない方は、この記事の対象から外れます。参入のタイミングについては別記事にまとめてあります。

ビットコインの時間割|保有期間を測る2つの物差し
保有期間を決めるとき、真っ先に知りたいのは「ビットコイン側の都合で決まっている時間の目盛りはあるのか」ということだと思います。
結論から言うと、2つあります。ただしどちらも締切としては使えません。その理由まで含めて見ていきます。
物差し1:約4年ごとにやってくる半減期
半減期は、マイナーが新しく受け取るビットコインの量が半分になるタイミングです。これまで4回起きています。
| 回 | 日付 | ブロック高 | 前回からの間隔 |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 2012年11月27日 | 210,000 | — |
| 2回目 | 2016年7月9日 | 420,000 | 約3年7か月 |
| 3回目 | 2020年5月11日 | 630,000 | 約3年10か月 |
| 4回目 | 2024年4月20日 | 840,000 | 約3年11か月 |
間隔は3年7か月から3年11か月で、おおむね4年です。次の5回目はブロック高1,050,000のときで、推計では2028年4月17日ごろとされています。
ここで大事なのは、半減期は日付ではなくブロックの枚数で決まるということです。ブロックが積み上がる速度は前後するので、「2028年4月17日」はカレンダーに書き込める確定した予定ではなく、あくまで推計です。情報源によって前後した日付が示されることもあります。
ナビゲーターつまり「次の半減期まで持つ」という決め方は、期限のようでいて期限になっていないんですね。
それでも、約4年という周期は期間の単位としては使えます。「1周期ぶん持つ」「2周期ぶん持つ」と考えれば、4年・8年という具体的な年数に落とし込めるからです。
物差し2:発行が終わるまでの100年以上
ビットコインの発行上限は2,100万枚で、すでに94%以上が発行済みです。※参照:https://www.coingecko.com/en/coins/bitcoin/bitcoin-halving
では残りの6%弱がいつ出そろうかというと、最後の1枚が採掘されるのは2140年ごろと見られています。半減期のたびに新規発行のペースが半分になっていくため、残量が少なくても時間だけは長くかかる計算です。
2140年という年代の意味合いについては、こちらで詳しく扱っています。

整理すると、ビットコインが持っている時間の目盛りは「約4年」と「100年以上」という、桁がまったく違う2つです。自分がどちらのスケールに賭けているのかを決めないまま「長期保有」と言っていると、期間の話がいつまでも曖昧なままになります。
ほとんどの人にとって現実的なのは、前者を単位にした4年・8年・12年という区切り方だと思います。
高値で買った人は、過去どれくらい水面下にいたのか
「あと何年待てばいいのか」に対して、唯一手がかりになる実測データがあります。過去に最高値の近くで買った人が、含み損を抱えたまま過ごした期間です。
予想ではなく、すでに起きたことなので数えられます。
| 高値をつけた時期 | そのときの価格 | 更新された時期 | かかった期間 |
|---|---|---|---|
| 2017年12月17日 | 約19,783ドル | 2020年終盤 | 約3年 |
| 2021年11月10日 | 約68,982ドル | 2024年3月14日(約73,581ドル) | 約2年4か月 |
| 2025年10月6日 | 約126,000ドル | 未更新 | 2026年8月時点で約10か月経過 |
過去2回は、高値をつけてから次に更新するまでに約2年4か月から約3年かかりました。その間に買った人は、ずっと含み損を見ていたことになります。
ただし、この数字の扱いには注意が必要です。サンプルはたった2回しかありません。2回とも2〜3年だったからといって、今回も同じとは限りません。もっと短く終わるかもしれませんし、逆にもっと長引く可能性もあります。
ナビゲーター「過去2回が3年だったから今回も3年」と考えるのは危険です。2回はデータとして少なすぎます。
それでもこの数字が役に立つのは、「自分は何年の含み損に耐えられるか」を考えるときの目安になるからです。
3年間ずっと含み損の口座を開き続けられるか。その状態で毎月の積立を続けられるか。ここに自信が持てないなら、投資額そのものが自分に対して大きすぎる可能性があります。
同じビットコインでも、円で見るかドルで見るかで含み損の深さが違う
ここでもうひとつ。自分の含み損が今どれくらいか、円で把握していますか。それともドルの数字で覚えているでしょうか。日本で投資している人だけに関係する話をします。
2026年8月18日時点で、ビットコインが最高値からどれだけ下がっているかを2つの通貨で比べると、こうなります。
| 通貨 | 過去最高値 | 最高値からの下落率 |
|---|---|---|
| ドル建て | 約126,000ドル(2025年10月6日) | 約49% |
| 円建て | 約1,896万円 | 約46% |
同じビットコインなのに、下落率が3ポイントほど違います。この差を生んでいるのは、ビットコイン側ではなく為替の動きです。
保有期間の話に引き寄せると、意味はこうなります。長く持つほど、ビットコインの値動きだけでなく為替の影響も長く受けるということです。
ナビゲーター今は円建てのほうがダメージが浅く出ていますが、円高に振れれば逆に働きます。どちらに転んでもおかしくありません。
私たちは円で生活し、利益が出れば円で納税します。だとすれば、保有期間の判断も円建ての数字で行うのが実務的です。海外の記事やSNSで見かけるドル建ての下落率は、日本に住んでいる自分の状況とは少しずれている、と思っておくくらいでちょうどいいと思います。
為替とビットコインの関係そのものについては、こちらで整理しています。

税制が「もう少し待つ理由」を作った|ただし開始時期はまだ決まっていない
保有期間を延ばす理由として、2026年に入って新しく登場したものがあります。税制です。
暗号資産の利益にかかる税金は、これまで原則として雑所得に区分され、給与などと合算する総合課税でした。それを株式やFXと同じ申告分離課税に切り替える法整備が、2026年に大きく前進しています。
事実関係を時系列で並べると、こうです。
2026年3月31日:所得税法等の一部を改正する法律が成立・公布。暗号資産の利益を分離課税の対象とする内容が含まれています(金商法等改正法の成立と施行が前提)。
2026年7月15日:その前提となる金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律が参議院で可決され成立。7月23日に公布され、令和8年法律第64号となりました。
施行はこれから:暗号資産に関する規制見直しの部分は「公布の日から1年以内」に施行すると定められています。つまり遅くとも2027年7月までには施行されることになります。
そして分離課税が実際に適用されるのは、施行日の属する年の翌年1月1日以後に行う譲渡からです(改正法附則39条1項)。※参照:泉絢也税理士事務所「暗号資産の税金が分離課税20%へ」(2026年8月18日確認)
ここから逆算すると、開始時期は2つに割れます。
- 施行が2026年中なら → 2027年1月1日以後の売却から
- 施行が2027年中なら → 2028年1月1日以後の売却から
どちらになるかを決めるのは、施行日を定める政令です。そして2026年8月18日時点で、その政令はまだ公表されていません。
2026年7月29日に公布された政令はありますが、そこで施行日が決まったのは無登録業に対する罰則の引き上げなど一部の規定(2026年8月12日施行)にとどまり、暗号資産を金融商品取引法へ移す部分の施行日は示されていません。※参照:金融庁「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律の一部の施行に伴う政令の整備等に関する政令」等の公布について(2026年8月18日確認)
ナビゲーターここが一番のポイントです。「2028年まで持てば税金が安くなる」と書かれているのを見かけますが、まだ確定していません。
なお、税理士の解説では「施行は2027年中、適用は2028年1月から」という見方が優勢です。ただしこれは見込みであって、政令が出るまでは確定しません。
税制を保有期間の理由にすること自体は合理的です。同じ利益なら、税負担が軽くなってから確定させたいと考えるのは自然だと思います。ただし現時点では、「税制が変わるまで待つ」とは決められても「2028年まで待つ」とは決められないという状態にあります。
現実的な対応は、政令が出るまでは期間を仮置きにしておき、施行日が確定した時点で「その翌年以降に売る」という形で期間を確定させることです。年に一度は金融庁の公表を確認する習慣をつけておくと安心です。
分離課税になると具体的に何がどう変わるのか(税率や損失の扱いなど)は、こちらの記事で詳しく解説しています。

なお、税金の最終的な判断は個別事情によって変わります。詳しくは税理士や所轄の税務署にご確認ください。
「条件が出たら売る」ではなく「期日が来たら動く」という決め方
ここからが実践編です。
出口の決め方には、大きく2つの型があります。ひとつは条件で決める型。価格が目標に届いたら、あるいは前提が崩れるサインが出たら売る、という決め方です。
もうひとつが、この記事で提案する期日で決める型です。あらかじめ「◯年後の◯月」と決めておき、その日が来たら決めた割合だけ動かす。相場がどうなっていても、日付が来たら手を動かします。
| 条件で決める型 | 期日で決める型 | |
|---|---|---|
| 引き金 | 価格・市場のサイン | カレンダーの日付 |
| 必要な作業 | 定期的に市場を見て判断する | 決めた日に手を動かす |
| 向いている人 | 情報を追うのが苦にならない | 相場を見ると気持ちが揺れる |
| 弱点 | 暴落中に判断がぶれやすい | 期日が良い水準とは限らない |
どちらが優れているという話ではありません。ただ、相場を見ると気持ちが揺れる自覚がある人には、期日で決める型のほうが機能しやすいと思っています。判断の回数が減るからです。
期日を決めるための3つの入力
では何年にするか。次の3つを順番に埋めていくと決まります。
入力1:そのお金を使う予定はいつか
最初にやるのは、投資に回しているお金を2つに仕分けることです。
- 使う時期が決まっているお金(住宅の頭金、子どもの学費、車の買い替えなど)
- 使う時期が決まっていないお金(当面の予定がない余剰資金)
前者は、私はガチホに載せていません。ここまで見てきたとおり、過去には約3年戻らなかった局面があります。使う日が決まっているお金をそこに置くと、相場ではなく生活の都合で売る羽目になります。それは自分で選んだ出口ではありません。
後者だけを対象にしたうえで、それでも「10年後には使うかもしれない」といった見通しがあるなら、その年から逆算して期間の上限を決めます。
入力2:サイクル何周期ぶんに賭けるか
約4年の周期を単位にして、1周期なら4年、2周期なら8年と置きます。ここは「どれくらいの時間軸でビットコインを見ているか」という自分の考えを数字にする作業です。
入力3:何年の含み損に耐えられるか
過去の実測は約2年4か月から約3年でした。この年数のあいだ、含み損を見ながら普通に生活できるか。ここで「きつい」と感じるなら、期間を短くするのではなく投資額を減らすほうが先です。金額を下げれば、同じ年数でも耐えやすくなります。
この3つのうち、いちばん短いものが答えになります。3つとも余裕がある年数を選ぶ、というのが基本の考え方です。
実際に埋めてみると、こんな形になります。
入力1(使う予定):積立分に当面の使い道はない。ただし10年後に子どもの進学があるかもしれない → 上限10年
入力2(何周期ぶん):次の半減期のさらに次まで見てみたい → 2周期=約8年
入力3(耐えられる年数):毎月1万円なら3年間含み損でも生活は変わらない。むしろ安く買える → 3年以上でも可
→ いちばん短いのは入力2の8年。したがって「2034年8月まで持つ」と決める。
ここで注目してほしいのは、3つの入力に相場の予想が1つも入っていないことです。価格がどうなるかを当てなくても、年数は決まります。
逆に、入力1が「3年後に住宅の頭金として使う」だった場合は答えが変わります。いちばん短いのが3年になり、そして過去の実測から見れば3年は含み損のまま終わる可能性が十分にある期間です。この場合は、そのお金をビットコインに置くこと自体を考え直すほうが筋が通ります。
期日が来たときにやることを、先に3択で決めておく
期間を決めただけでは足りません。その日が来たら何をするかまで決めておかないと、当日になって「今売るのはもったいない」と思考が始まってしまいます。
- 全部処分する:目的が果たされた、または他に使い道が決まっている場合
- 一部だけ処分する:次の項目で扱う「原資抜き」がこれにあたります
- 期間を延長する:新しい期日と、そのときの3択をあらためて決め直す
3つ目の「延長」を最初からルールに入れておくのが、地味ですが重要です。延長を想定していないと、期日が来るたびになし崩しで先送りすることになり、気づけば期間を決めていない状態に戻っています。
ナビゲーター延長は悪いことではありません。「なんとなく持ち越す」と「延長すると決めて持ち越す」が別物なんです。
なお、積立で買っているか一括で買ったかによって、期間の起点の考え方は変わります。買い方そのものの比較はこちらにまとめています。

原資だけ先に回収する|「全部売る」でも「一生持つ」でもない三つ目の道
「売るか、売らないか」の二択で考えていませんか。私も長いあいだそうでした。ですが期日が来たときの3択のうち、いちばん現実的なのは「一部だけ処分する」だと思っています。そのなかでも私が使っているのが原資抜きという考え方です。
やることは単純で、自分が投じた元本と同じ額だけを回収して、残りはそのまま持ち続けるというものです。
たとえば投じた金額に対して評価額が2倍になっていれば、保有量の半分を売れば元本が戻ってきます。3倍なら3分の1で戻ります。特定の価格を待つ必要はなく、倍率だけで判断できるのがこの方法の使いやすいところです。
| 評価額が元本の | 売る割合 | 残る保有量 |
|---|---|---|
| 2倍 | 2分の1 | 50% |
| 3倍 | 3分の1 | 約67% |
| 5倍 | 5分の1 | 80% |
元本が手元に戻ると、残った分はもう失っても生活に影響しないお金に変わります。これが効きます。同じ量のビットコインを持っていても、精神的な重さがまったく変わるからです。
ナビゲーター元本を回収してからのほうが、値動きを落ち着いて見られるようになりました。持ち続けるのが楽になります。
目標価格ごとに保有量を少しずつ売っていく方法(分割利確)と似て見えますが、基準が違います。分割利確は「価格」を基準にするので、その価格に届かなければ何も起きません。原資抜きは「元本を回収できたかどうか」が基準なので、いくらで買ったかによって発動する水準が人それぞれ変わります。
実行するときに、忘れずにやっておきたいことが2つあります。
- 税金の対象になります。売却した時点で損益が確定するため、利益が出ていればその年の課税対象です
- 残った分の期間を決め直します。回収して終わりにすると、残りが「期限のない持ち分」に戻ってしまいます
撤退ラインは、値下がり率ではなく暮らしで引く
期間を決めたら、最後に決めるのが撤退ラインです。期日を待たずに手放す条件をどう置くか、という話になります。
ここで、よく見かける決め方をひとつ否定しておきます。「買値からマイナス30%になったら損切りする」という設計は、ガチホとは両立しません。
理由は単純で、ビットコインが過去に経験してきた下落の大きさが、そのラインをはるかに超えているからです。
| 底をつけた時期 | 最高値からの下落率 |
|---|---|
| 2011年 | 約93% |
| 2015年 | 約86% |
| 2018年 | 約84% |
| 2022年 | 約77% |
ご覧のとおり、過去の下落はどれも8割前後、深いときには9割を超えています。今回の下落でさえ、最高値から円建てで約46%です。マイナス30%で機械的に切る設計にしていたら、そこから戻ってきた局面のすべてで振り落とされていたことになります。
値下がり率と並んで見かけるのが、株式市場の変動性を示すVIX指数を暗号資産の売却判断に使う、という説明です。ただVIX指数はS&P500のオプション価格から算出される株式市場の指標で、ビットコインの保有期間との関係が説明されているわけではありません。保有期間の判断材料としては、ここでは使いません。
ナビゲーター値下がり率で撤退ラインを引くなら、それはもうガチホではなく短期売買のルールです。混ぜると一番中途半端になります。
正直に書くと、私はFX時代にこれを逆の形でやっていました。「マイナス3%で切る」と決めていたのに、いざその水準に触れると「今日は指標発表があるから」と理由を探して見送る。そうやって先延ばしにしたポジションだけが手元に残り、口座は少しずつ痩せていきました。ルールを決めることと、そのルールが自分の戦略と噛み合っていることは別だと痛感した経験です。
では何を基準にするか。価格ではなく、次の2つを置くことを提案します。
基準1:暮らしが脅かされたとき
これは価格とは無関係に発動します。具体的には、こんな状態です。
- 生活防衛資金に手をつけないと生活が回らなくなった
- 借入をしてまで買い増そうとしている自分に気づいた
- 収入が減った、家族の状況が変わったなど、前提としていた家計が変わった
- 値動きが気になって眠れない日が続いている
このどれかに当てはまったら、価格がいくらであっても保有量を減らします。投資は生活の上に載っているものなので、土台が揺れたら上を軽くするという順番です。
「今売ったら損が確定する」と思うかもしれません。ですが、生活が苦しい状態で相場を見続けると、もっと悪い判断をしがちです。私の場合、含み損の数字が増えていくのを見ながら、何度もスマホの画面を閉じては開くという時期がありました。あの状態で下した判断で、良かったものはひとつもありません。
基準2:買った理由が崩れたとき
もうひとつは、自分が最初に納得して買った前提が変わったときです。
そのためには、買った理由を言葉にして残しておく必要があります。「発行上限があるから」「値上がりしそうだったから」「みんなが買っていたから」。どれでも構いませんが、書いていないと崩れたかどうかを判定できません。
ナビゲーター買った理由が「よく分からないけれど話題だったから」なら、それを書き出すこと自体が収穫です。
決めたことを1枚に書き出す
ここまでで決める材料はそろいました。あとは書き出すだけです。
頭の中に置いたままだと、相場が動いたときにたいてい書き換わります。値動きが落ち着いているうちに、あとから読み返せる場所に残しておいてください。次の表をそのまま写して、右の列を埋めるだけで足ります。
| 項目 | 記入例 | あなたの答え |
|---|---|---|
| 対象の金額 | 毎月1万円の積立分(使う予定なし) | |
| 保有期間 | 2034年8月まで(約8年=2周期ぶん) | |
| 期日に何をするか | 原資抜きをして、残りは期間を決め直す | |
| 前倒しで動かす条件 | 評価額が元本の2倍を超えたら、半分を売って原資を回収 | |
| 撤退の条件(暮らし) | 生活防衛資金に手をつける状況になったら減らす | |
| 撤退の条件(前提) | 発行上限の仕組みが変わったら考え直す | |
| 見直す頻度 | 年1回・毎年8月に確認する |
記入例の数字は、あくまで書き方を示すためのものです。そのまま真似するのではなく、自分の家計と生活の予定から埋めてください。
ナビゲーターここまで埋まれば、「いつまで持つのか」という問いには、もうあなた自身の答えが出ています。
期日どおりに動かすなら、損益の記録を先に整えておく
期日で区切る決め方には、ひとつだけ事務的な準備が必要になります。期日が来て売却し、利益が出れば、その年の課税対象になるということです。申告が必要かどうかは利益の額や他の所得の状況によって変わりますが、いずれにしても「いくらで買って、いくらで売ったのか」を計算できる状態にしておく必要があります。
数年ぶんの取引履歴をあとからさかのぼって計算するのは、かなり骨の折れる作業です。とくに複数の取引所を使っていたり、積立で毎月買っていたりすると、取得価額の計算だけで一日が終わります。
売る予定の年が決まっているなら、記録の仕組みは今のうちに整えておくほうが楽です。損益計算ツールを使えば、取引履歴を取り込んで自動で集計してくれます。
ビットコインのガチホはいつまで?よくある質問
- あと何年で最高値に戻りますか?
-
予想はできません。過去2回の実測では、高値をつけてから次に更新するまでに約3年(2017年12月の高値)と約2年4か月(2021年11月の高値)かかりました。ただしサンプルは2回だけなので、今回も同じ年数になるとは限りません。「戻るまでの年数を当てる」のではなく「何年なら耐えられるか」を決めるための目安として使ってください。
- 2028年の半減期まで持てばいいですか?
-
半減期はブロックの枚数で決まるため、カレンダー上の日付は推計にすぎません。次回はブロック高1,050,000で、2028年4月17日ごろと見られていますが、ブロックが積み上がる速度によって前後します。期限としては使いにくい一方、「約4年で1周期」という期間の単位としては使えます。
- 分離課税が始まるまで待ったほうがいいですか?
-
待つという判断自体は合理的ですが、開始時期がまだ確定していません。関連する法律は2026年7月に成立・公布されましたが、暗号資産に関する部分の施行日を定める政令は2026年8月18日時点で公表されていません。適用は施行日の属する年の翌年1月1日以後の売却からとなるため、2027年1月か2028年1月かは政令次第です。「2028年から」と決め打ちせず、政令が出てから期間を確定させる形をおすすめします。
- 今が底ですか?買い増しても大丈夫でしょうか?
-
底かどうかは分かりません。この記事では相場の予想は扱っていません。買い増しを検討するなら、価格ではなく「その資金を何年使わずに置けるか」から考えると判断がぶれにくくなります。
- ガチホには最低何年必要ですか?
-
一律の正解はありません。この記事では、①そのお金を使う予定時期 ②約4年の周期を何周期ぶん ③何年の含み損に耐えられるか、という3つを出して、そのうち最も短い年数を採用する方法を紹介しています。人によって答えが変わるのが自然です。
- 期間を決めても守れる自信がありません
-
守れないと感じる場合、期間より先に金額を見直すほうが効果的です。投資額を下げると、同じ年数でも耐えやすくなります。また、期日が来たときの選択肢に「期間を延長する」をあらかじめ入れておくと、ルールを破らずに持ち越せます。
まとめ|「いつまで」は予想ではなく設計で決まる
ビットコインのガチホをいつまで続けるかという問いは、相場に聞いても答えが返ってきません。返ってくるのは予想であって、期間ではないからです。
この記事で並べた材料をもう一度整理します。
- ビットコイン側の時間の目盛りは約4年(半減期)と100年以上(発行完了)の2つ。どちらも締切には使えないが、期間の単位としては使える
- 過去に高値で買った人が水面下にいたのは約2年4か月から約3年。ただしサンプルは2回のみ
- 円建てとドル建てでは下落率が違う。判断は円建てで行う
- 分離課税は待つ理由になりうるが、開始時期はまだ確定していない。決め打ちしない
- 期間は「使う予定時期」「何周期ぶんか」「耐えられる年数」のいちばん短いもので決める
- 期日が来たときの選択肢を全部・一部・延長の3つで先に決めておく
- 一部処分するなら原資抜き。元本を回収すれば、残りは失っても生活に影響しないお金になる
- 撤退ラインは値下がり率ではなく暮らしと前提で引く
ここまで決めれば、次に相場が大きく動いたときも、やることはすでに紙の上にあります。判断する必要がないというのは、思っているよりずっと楽です。
ナビゲーター私も期間と条件を書き出してから、値動きに一喜一憂する時間がかなり減りました。
最後にひとつだけ。この記事の内容は、特定の売買を勧めるものではありません。暗号資産は価格の変動が大きく、投じた金額を下回る可能性があります。最終的な判断はご自身の状況に合わせて行ってください。
最後までお読みいただきありがとうございました。

